田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
9月2日(金)読了。

『フェアリーテールシステム』を介して世界の運命を握ることになった武紀。
彼は、誰も犠牲にせず、全てを幸せにする道を歩む。
それは、困難で馬鹿げてさえいて、ただの子供の我が儘のようで。
でも、彼にとってはそれ以外に選択肢は存在せず。
だから、立ち向かった。
世界に。

ギャルゲヱの世界が現実に投影されることで起こる、レイヤー化された世界とその仕組みに抗った一人の少年の物語、これにて完結! いやぁ、途中から完全にSFになっていましたが、広げた風呂敷を気持ちよく畳みましたねぇ。
メインのヒロイン達も、ファンディスクのヒロインも、そして、現実のヒロインも。全てを幸せにすべく行動する武紀の行動は、半端にやれば苦笑いを誘う物に過ぎないのでしょうが、ここまで本気で立ち向かったからこそ、受け入れることが出来たのでしょう。確信犯的にハーレムエンドを目指し、最後はそこに世界の仕組みが立ちはだかり、それに立ち向かい、って、そこまで本気の規模がでかくなると流石に想定外でしたが(;^^)

でもまぁ、なんか思い返せば、最後に一番美味しいところを持って行ったのは高橋さんな気がしないでもないです(;^^)
あと、四阿ちゃんがしれっとヒロインの一人に昇格していたのは嬉しい展開。眼鏡枠は必須なのです。眼鏡っ娘のいないギャルゲヱなど、あんこの入っていないあんパンの如きもので、そもそも昨今のギャルゲヱは……

と、なんか最後は魂の叫びが混じりましたが、気持ちのいい本編最終巻でありました。あと1冊、諸々の補完となるであろう Extradisc が出る様なので、それも楽しみにしつつ、新シリーズはこれ以上の物を期待させて貰いたいと思います。何はともあれ、本編完結おめでとうございます!

てなところで次は『前略。ねこと天使と同居はじめました。四匹目』です。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc8 (ファミ通文庫)

田尾 典丈
出版社:エンターブレイン
発売日: 2011-08-29