かじいたかし・著、皆村春樹・イラスト、HJ文庫。
11月1日(火)読了。

歴史が改変され、23世紀の正統派文学が失われてしまった!
自らの癒しとなった作品を取りもどすため、イモセ・ギン達は再び21世紀へと飛ぶ。
だが、歴史改変の切っ掛けとなった作品は見付からず。
手がかりもなく途方にくれていたところで、唐突にギン達の元に手紙が届いた。
それは、失われた23世紀の文体で書かれていて……

文学の在り方について極端な方向から切り込みつつ、文学SFとして成立させている異色作第二弾。
って、オオダイラ文体が一人歩きしていますが、そこに込められた設定とか何気にしっかりしてるんですよね。だからこそ、そんな文体が主流になったとき、今私達が読んでいる作品ってどう観られるんだろう? 実は、そういった作品にこの世界でも心ない人達が向けてしまうのと同じような嘲弄を受けるのではないだろうか? そんなことを考えさせられる作品でもあります。また、最後の仕掛けも良い感じです。

……まぁ、そういう素材を用いたハーレムコメディであり、現在のライトノベルの流れにはキッチリのっている訳なのですが、先の『文学』を『ライトノベル』に置き換えてみるのもまた一興。何かが見えてくるかもしれません。

とまぁ、そんなところで次は『Steins;Gate 2 形而上のネクロ-シス : Reverse』です。

僕の妹は漢字が読める2 (HJ文庫)

かじいたかし
出版社:ホビージャパン
発売日: 2011-10-29