藍上ゆう・著、〆鯖コハダ・イラスト、このライトノベル文庫がすごい!文庫。
11月7日(月)読了。
第二回このライトノベル文庫がすごい!大賞優秀賞受賞作。

魔女クレアは魔界で育った人間だった。
自分を捨てた人間を恨み、その人間である我が身さえ憂えていた。
だから彼女はある日思い立った。
大きな儀式で人間を捨てることを。
その儀式とは。
千人の処女を発情させることで……

まぁ、一発ネタと言えばそれまでですが、中々面白い着眼点で着地点はいい感じでした。
が、折角パニックモノの定番のアレをエロゲ風味にパロディにしたのだから、もっとやりようがあったんじゃないかなぁ、と。最初の方が冗長というか話が全然進まない&緊迫感ゼロ&後半で後出しで設定を色々詰め込んで無理矢理まとめた感があるので、最初100ページぐらいを削るぐらいの勢いで圧迫したらもっとテンポよく読めたかなぁ、と思います。

正直、物語が動き出すのが余りにも遅いので、読んでて話に入れたのは残り100ページ切った辺りからで、そこまでは半ば義務感で読んでいました。内容的には、ライトノベル一冊分の物語というよりは、チャンピオンREDいちご辺りの読切一本分ぐらいのボリュームが丁度よかったような印象。

あと、何より、ドSの定義が独自解釈過ぎて違和感が有り過ぎます。タチが悪いことに掛け算の前だからといって『ドS』というのはちょっと新解釈過ぎる気がしますねぇ…… タイトルなので、そこが最後まで引っ掛かっていたために物語全部に対して冷めた印象を持ってしまったので、残念。もっと本来の意味のドSだったら、それだけでもギャップが出てラストが更に映えた様な気もします。

と、あれこれ書きましたが、本当、ネタは美味しいモノがあるので次は上手く料理されることを祈りつつ様子見、ですかねぇ。

てなところで次はアニメにはまったために予定を変更して『ベン・トー』です。

ドS魔女の××× (このライトノベルがすごい!文庫)

藍上 ゆう
出版社:宝島社
発売日: 2011-10-08