田尾典丈・著、有河サトル・イラスト、ファミ通文庫。
12月3日(土)読了。

『フェアリーテールシステム』を巡る事件も解決し、大団円を迎えていた。
もう、これからは平和な日々が続いている。
武紀は、有言実行すべき決意を新たにし、ヒロイン全員を幸せにすることを目指して日々を過ごす。
そして、季節は春。
終わりと始まりの季節。
それぞれのヒロイン達の未来へと向かう中、一人、理恵だけは不安げで……

『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』シリーズ完全完結!
ゲームに入るのではなく、その理屈を現実世界に投影するという世界観から、ハーレムコメディとしてよりもSFとして魅せてくれる御華詩でありました。四阿ちゃんもちゃんとヒロインに入りましたしね。
今回は、短編集の中に本編と外伝双方のエピローグが組み込まれる形でありましたが、正直『シルバーブレット』の方は、これはこれで綺麗にまとまっていたとは言え、もう1冊ぐらい使ってもよかったんじゃないかなぁ、と思います。まぁ、色々と事情があるんでしょうが(;^^)
そして、最後の最後。
本編のエピローグに当たる物語では、ハーレムエンドに望む主人公/ヒロイン達の気持ちがしっかり描かれていて非常に心地よいラストでした。彼ら彼女達は、この世界の中で進んでいく。武紀を中心としながら。それぞれの未来へ。そんな余韻を今も感じます。
また、もう一つ。このサブタイトルが感慨深いモノがありました。恐らく、あの名作のエンディング曲へのオマージュ。意図してかどうかは解りませんが、本当、最後の最後がこのサブタイトルだったというだけで早く読みたくて仕方ありませんでした。

何はともあれ、シリーズ完全完結お疲れ様でした! また、次回作も楽しみにしています。

といったところで次は『魔法使いなら味噌を喰え!』です。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! Extradisc (ファミ通文庫)

田尾典丈
出版社:エンターブレイン
発売日: 2011-11-30