著・坂井テルオ、イラスト・な!、HJ文庫。
3月6日(火)読了。
第5回ノベルジャパン大賞奨励賞受賞作。

宗形宗一はフィギュア造りに、特にとある一箇所に並々ならぬ拘りを持つ健全な男子高校生。
筋肉マニアな腐女子の由利子とともにマンガ創作研究部で創作への熱意を燃やしていた。
だが、そんな部活を生徒会の魔の手が脅かす。
部費の削減を迫る生徒会副会長だったが、ふと宗一の技術に目を付け、とある取引を持ちかけてくる。
それは、彼女のためにあるモノを創り出すことで……

なるほど。タイトルの通りのストレートな御華詩でありますな。フィギュア製作の知識を活かしてリアリティを持たせつつ、創ってるモノは馬鹿馬鹿しい、でも当人達は本気で……という、そんな解り易い物語でありました。フィギュア製作の片鱗も楽しめますな。
ただ、そこだけの一点突破的な印象は拭えませんかねぇ。ネタのストレートさとその面白さはありますが、ストーリー的にはド王道というか。ヒロインも言うほど酷いと感じないのは感覚が麻痺してるのかもしれませんが、むしろ由利子なんかすげぇ魅力的に感じてしまいました。そんな彼女が眼鏡を外したらちゃんと掛けさせる宗一に共感を覚えたりなんだかんだで割を食いながらも主人公のために動く由利子はいい子です。うん、個人的には由利子がいいキャラだったのでそれだけで楽しめましたが、それは多分、本筋とは違うのです(;^^)
何はともあれ発売おめでとうございました。

てなところで、次は『前略。ねこと天使と同居はじめました。五匹目』です。

私のために創りなさい! (HJ文庫)

坂井テルオ
出版社:ホビージャパン
発売日: 2012-02-29