木野裕喜・著、 hatsuko・イラスト、このライトノベル文庫がすごい!文庫。
1月15日(金)読了。

VRシステムのバージョンアップに託け、栄臨学園を舞台として秘密裏に計画されている人体実験。
食い止めるには、全城主ギルドの名の下に異議を申し立てる必要があった。
だが、最強のギルドマスター会堂篁は陰謀に加担する立場。
彼を打ち倒し、何としても計画を阻止するため、零央は攻城戦に全てを賭ける……

これまでの零央が積み上げたものが問われるクライマックス。周りに認められていってここまで来たなぁ、と。内容的に今巻のラストは予想通りの予定調和で若干のご都合主義を感じないでもないですが、それでも、その成長は感じられますねぇ。何より、智早先輩をある程度あしらえるようになってきているのは大きな精神面の成長の発露でしょう。

そして、その智早先輩は意外に乙女な一面を見せはじめ、その魅力が今回の事件の元凶とも言える存在でもあるわけで、つまるところこの作品の中で最もヒロイン力が高いと結論づけることができます。表紙で目立つ位置に配置されているのも一つの傍証と言えましょう。

ただ、そうなると主人公が会堂になってしまうので矛盾テイクが生じても絡まった糸がきしみ合って上書きしてはくれないのでどうやら少しばかり深読みをし過ぎているかもしれませんが、会堂と智早の物語はどういう結末を迎えるのが、最終巻が楽しみです……あれ?

てなところで次は『RAIL WARS!12 ~日本國有鉄道公安隊~』です。