桜井光・著、中原・イラスト、角川書店。
5月4日(火)読了。

東京を舞台に開催された史上初の聖杯戦争。
魔術師達の思惑と、サーヴァントとして召喚された英霊達の思惑。
心ある彼ら彼女らは、魔術師の手の中だけで踊っている訳でもない。
逆に、信頼関係、圧倒的な主従関係があれば、喜んで魔術師のために尽くしもするだろう。
主のことを慮るアーチャーと、主とのすれ違いで狂ったランサー。
二つの陣営の断片が、語られる……

時系列が言ったり来たりしながら語られる断片集でありますが、今回はアーチャーとランサーの陣営の物語。まぁ、愛歌の諸悪の根源感がすげぇんですが、聖杯戦争の仕組みが生んだ幾つもの悲劇の中の二篇でありましょうか。結局、愛が人を強くもすれば狂わせもするというシンプルなテーマに帰結する部分もありますが、そりゃ、最後にああなるのも致し方ないなぁ、と。

それはそうとして、もっと妹の綾香の方の活躍が観たいというのが正直なところ。今のところ、彼女の活躍を一番楽しめるのは『氷室の天地』でありますが。

てなところで次は『落第騎士の英雄譚《キャバルリィ》10』です。

Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ (4)

桜井 光
出版社:KADOKAWA/角川書店
発売日: 2016-03-10