ジェイン・オースティン&セス・グレアム=スミス・著、安原和見・訳、二見文庫。
12月25日(日)読了。
ロングボーンのベネット夫人の関心は、いつだって五人の娘達の結婚だった。
財産の相続権のない娘達が、金持ちと結婚してくれるのが夢だった。
ある日、近隣のネザーフィールドの屋敷に金持ちのビングリーという独身男性がやってくると聞いて、娘の誰かと結ばれるようにとあれこれ画策する夫人。
長女のジェインとビングリーはいい感じになるが、一方で、次女のエリザベスとビングリーの親友であるダーシーはどうにも相性が悪い。
ダーシーの高慢な態度が許せないエリザベスは噂話を聞いて更にダーシーへの嫌悪を深くしていくが、実はそれは、エリザベスの偏見だったことが解り……
ところで、英国には奇病が蔓延し感染者が不死のゾンビとなって跋扈し、中国で少林拳を収めたベネット家の姉妹は英国を護る戦士であった。
タイトル通り『高慢と偏見』にゾンビを追加したトンデモ作品でありました。映画は大筋を追いつつもかなりエンタメとして整理された改編版でしたが、こちらはゾンビが絡む以外はほぼ原作通り。直前に原典を読んで置いたお陰で、色々ニヤリとさせられました。
ベネット家の姉妹は、映画よりもずっと物騒というか、気に入らないと直ぐに首を刎ねに行こうとする程度に武闘派で、それが元の台詞に紛れ込んでるセンスはいいですねぇ。
あと、作品の成り立ちを説明する訳者あとがきがぶっちゃけまくりでかなり面白いという。何書いてるんだ、こいつ? って感じで訳してた感満載。一番笑ったのここでした。
いやぁ、しかしリンカーンが斧をカンフーのヌンチャク的に振り回してヴァンパイアを狩りまくる『リンカーン/秘密の書』の原作も同じ人なんですよねぇ。そう考えると色々しっくりきますな。
てなところで、次は『29とJK2~大人はモテてもヒマがない~』に合流。