うーぱー・著、佐藤ショウジ・イラスト、電撃文庫。
3月30日(金)読了。
第24回電撃小説大賞大賞受賞作。

ある日突然、高校の教室に現れた魔法使い。
彼女は、学内にいる全ての人間の願いを叶えると宣言し、事実、その通りとなった。 願いの元は、卒業文集の『将来の夢』。 だが、大勢の夢の集合の結果、学校ごと異世界に転移することになり……

最近の受賞作を適当に読もうぐらいの気持ちで買ってきたんですが、開いてみれば最近とんとご無沙汰だったタイプの物語で、大当たりでした。
異世界に転移した高校が元の世界に戻ってくるまでの冒険を、生き残った生徒達にレポートしながら描き出す、という手法。 事件が異世界転移という部分を除くと、事件をレポート形式で描くミステリテイストの御華詩ですな。
淡々とした文体だからこそ、事件のディティールと当事者達の心情が浮かび上がってくると言うか。
個人的にとても馴染む語り口で、なんだか懐かしささえ感じたのは、己の読書遍歴やらから生まれる特殊な感情かもしれませんが。
ともあれ、もう一度読み直したいと切に思わせる力を持ったいい作品でありました。

てなところで次は『中二病でも恋がしたい!4』です。

タタの魔法使い (電撃文庫)

うーぱー
出版社:KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
発売日: 2018-02-10