ジョン・ウィンダム・著、、創元SF文庫。 4月20日(月)読了。

世界を賑わす流星群。世紀の天体ショーが地球を彩った翌日。
目の治療で入院していたウィリアム・メイスンは包帯が取れるのを心待ちにしていた。
だが、誰もやってこない。
恐る恐る包帯を外した彼が目にしたのは、誰もが視力を失った世界だった。
視力を失ってパニックに陥る人類には、更に悪いことがあった。
良質な脂の原料として栽培されていた食人植物トリフィドが、野に放たれていたのだ……

大部分の人類の視力喪失により訪れた文明の破局と、それを様々な方法で乗り越えようとする人々の姿と、元々視力以外の感覚器で狩りをするトリフィドの脅威。
『人類SOS!』という邦題で映画化されており、昔やたらテレビ放映されてた記憶があるんですが、モンスターパニックものの印象だった映画とは大分趣が異なりますな。それまでの文明が崩壊した後をわずかな視力を維持した人類が数多の盲人と共にどう生き抜くか? を描いたポストアポカリプスものですな。淡々とした語り口がフィクションの中のリアルを克明に描き出していて、なんというか、たまたまこの世界情勢の中で読んで色々と考えさせられる内容でありました。これ、1951年に書かれた作品なんですが、人間は70年弱じゃ変わらんですよねぇ、と。

てなところで、次は待ちに待った『中古でも恋がしたい!13』です。