西尾維新・著、竹・イラスト。 6月19日(土)読了。

人類最強の請負人哀川潤が万里の長城をヒールで歩いていると、可愛くて天才な軸本みよりがやってきた。
英語の勉強も兼ねてブリテンの大学で教鞭を取ることになったという。 そんな彼女は、親交のある教授の依頼で数学的な検証を行うためヴェネチアへ向かうという。
人類最強の請負人の前に現れたのは、そのアテンドを依頼するため。 ヴェネチアへは行ったことがないという人類最強は快諾し、ヴェネチアへ。
折り悪く、溺殺魔アクアアクアが暗躍している、ヴェネチアへ。

これまでの最強シリーズとは趣を変えてのトラベル・ミステリー(多分誤用)……いや、彼女が動くならトラブル・ミステリーといった方が実情に合いそうなのはともかくとして。
サイコな犯人視点の倒叙を用いつつ、懐かしささえ感じるミステリでありますな。この世界観だからこそのトンデモトリックが罷り通って成立している面もありますが。あと、哀川潤が登場する探偵譚という触れ込みですが、そこさえも計算かと思ったり。
どこか流水的なものを感じる二転三転する真実の妙を楽しめるミステリ作品でありました。シリーズ化するらしいので続きが楽しみです。次はお洒落なメガネで白衣に水着のお医者さんが旅のお供?

てなところで次は『家族なら、いっしょに住んでも問題ないよね?2』です。